斜角筋を構成する3つの筋肉
前斜角筋
前斜角筋は頚椎の前面に位置する呼吸筋のひとつです。前斜角筋は首を前後に振る動作(頚椎の屈曲)、首を左右に振る動作(頚椎の側屈)、その他にも第一肋骨を挙上させ呼吸をスムーズにさせる働きがあります。
前斜角筋が働きかける日常動作は「首を動かす動作」、「呼吸」が挙げられます。特に激しい運動をした時の呼吸に大きく前斜角筋が関与し、吸息動作を補助します。
前斜角筋が最も働きかけるスポーツとしては「マラソン」が挙げられます。長い距離を走り続けるマラソンの呼吸には、前斜角筋の吸息補助が必要不可欠です。前斜角筋をトレーニングで鍛えることで、呼吸の質の向上に期待が出来ます。
前斜角筋が緊張し、硬くなってしまうと近くを走行している腕の神経を圧迫してしまうため、腕や手に痺れが生じる症状が起こりやすくなります。これが斜角筋症候群と呼ばれるものです。その他にもエルブ麻痺やクルンプケ麻痺などを引き起こす可能性が出てきます。これを予防・改善するためにも前斜角筋のトレーニングやストレッチが必要です。
前斜角筋のトレーニング方法
- ネックフレクション
- ネックエクステンション
- ネックラテラルエクステンション
- ネックローテーション
中斜角筋
中斜角筋は頚椎の側面に位置する呼吸筋のひとつで、前斜角筋とともに吸息動作補助をする役割があります。頚椎の屈曲・頚椎の側屈、第一肋骨の挙上の働きがあり、主に胸式呼吸時に作用します。
中斜角筋の日常的な働きは前斜角筋と同じように「首を動かす動作」、「呼吸」に大きく関与します。振り向く際や上下を向く際など頻繁に使用される筋肉となっています。
中斜角筋が働くスポーツとしては「サッカー」なども挙げられます。ボールを追いかけて走り続けるサッカーには、呼吸補助の働きがある中斜角筋は重要な筋肉として挙げられるでしょう。
中斜角筋が緊張し弱ってしまうと首の可動範囲が制限されたり、腕や手に痺れが起きる斜角筋症候群などを引き起こす原因にもなります。日頃からトレーニングやストレッチで中斜角筋を含む斜角筋を鍛えることで、呼吸の質が向上し、斜角筋症候群の予防・改善をすることが可能です。
中斜角筋のトレーニング方法
- スパイン・ネックフレクション
- ネック・フレクション・ブリッジ
- タオル・ネック・サイドフレクション
後斜角筋
後斜角筋は頚椎の後部に位置していて、前斜角筋や中斜角筋とは違い、第2肋骨に繋がる呼吸筋となります。後斜角筋はその他の斜角筋と同じように「頚椎の屈曲」、「頚椎の側曲」に大きく関与しています。また、第2肋骨を挙上し吸息動作補助の役割もあります。
後斜角筋が日常的に関与する働きとしては他の斜角筋と同じく「首の動作」、「呼吸」に大きく働きます。スポーツへの働きとしても、激しい運動をする競技全般に大きく関与しています。
後斜角筋を鍛えることで、呼吸の質が向上し息がスムーズに出来るようになります。一方、後斜角筋が弱ってしまうと、首の上下左右に動かす動作に支障が出たり、斜角筋症候群といった手や腕に痺れが起きてしまう症状を引き起こすことがあります。これを予防・改善するためにも、積極的に後斜角筋を含む斜角筋を鍛えることが大切です。
後斜角筋のトレーニング方法
- ネックフレクション
- タオル・ネック・フレクション
- ネックローテーション