大円筋の役目・役割
大円筋は肩甲骨の外側縁・下角から起始し、上腕骨小結節陵に停止しており、脇腹の背中側に位置する筋肉です。大円筋の主な働きとしては肩関節の内転、肩関節の伸展、肩関節の内旋に関与しています。
大円筋の特徴としては、背中に位置する主動筋のひとつである広背筋の働きをサポートする筋肉であることです。そのため広背筋の動作を調整したり、安定させる働きもあります。こういった働きから大円筋は「広背筋の小さなヘルパー」としても呼ばれています。
大円筋の主な働き
大円筋が最も働きかける日常的な動作としては「物を引き寄せる動作」が挙げられます。例えば、台の上に乗っている物を自分の体側へ引き寄せるなどの動作には大円筋が大きく関与しています。その他にも広背筋とともに肩関節の内転や伸展の動きに関与しているため、肩関節の動きにおいて欠かせない筋肉のひとつです。
大円筋を使用するスポーツとして代表的なものは「ボート」があります。ボートは水上を移動するために、オールという水をかく道具を用います。このオールをかく動作に大円筋は広背筋とともに大きく関与しているのです。
その他にも水泳のストロークの動きや野球のボールを投げる動作などに貢献しています。大円筋を鍛えることで、主動筋となる広背筋も同時に鍛えることができ、パフォーマンスの向上はもちろん肩関節においての故障やトラブルを予防することが出来ます。
大円筋はボディメイクでも重要な筋肉のひとつで、広背筋と同じく背中の逆三角形を作るために欠かせない筋肉です。そのため広背筋をサポートする補助筋でありながら、ボディメイクに欠かせない珍しい筋肉としても知られています。
この大円筋を鍛えることで、男らしい理想的な逆三角形に近づけることが可能です。ただし、大円筋のみをトレーニングするのは難しいので、広背筋とともに鍛えるようにすることが必要です。
大円筋が弱ってしまうことで「肩関節周囲炎」、「投球障害肩」、「肩甲下神経麻痺」などを引き起こす可能性が高くなってしまいます。そのため大円筋をトレーニングで強化したり、ストレッチなどで筋肉の緊張をほぐしてあげることは大切です。大円筋を強化し、日頃からケアを行えば怪我の予防・症状の改善が見込めます。
大円筋のトレーニング法
- ラットプルダウン
- ロウプーリー
- ワンハンド・ダンベルローイング
- ベントオーバーローイング
- チンニング
- インクライン・チンニング