下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)のデータ【位置・役割】
下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)はふくらはぎの筋肉だが、正確にはひざ裏からかかとまで走る長い筋肉です。
ふくらはぎに膨らみを持たせるアウターマッスルの腓腹筋は内側頭(ないそくとう)と外側頭(がいそくとう)の2つに分かれていて、インナーマッスルで平べったいヒラメ筋を加えた3つからなるので三頭筋と呼ばれています。
下腿三頭筋は、足関節を底屈(つま先立ち=足首を伸ばす)させる働きがあります。
働きだけを見るとなんとも地味ですが、短い筋繊維が集まって長さを形成しているので力が強くバネ機能に優れているため、ダッシュやジャンプするときに大活躍する筋肉です。
このバネ機能は、立ってる状態で前に転ばないようにバランスを取るためにも役立っているんですね。
特にヒラメ筋は、速筋と遅筋の比率が12.3:87.7と持続力に優れた遅筋で構成されているので、立姿勢を長時間キープできるのはヒラメ筋の活躍があるからなんです。
一方の腓腹筋は、速筋51.8:遅筋48.2と速筋よりのため、瞬発力が必要なスポーツシーンで活躍します。
ふくらはぎは第二の心臓~むくみの原因はココにあり!
私たちは、心臓がポンプ役となって体内に血液を巡らせているのはご存じのとおり。
でも、流れが弱くなる静脈の血液を重力に抗いつつ腎臓・心臓まで押し戻すためには、心臓からの血流だけでは不十分です。
そこで、ふくらはぎ(下腿三頭筋)がポンプ役になって、老廃物を回収した血液を上へ上へと押し戻します。
もし、ふくらはぎの筋肉が弱くなると、ポンプ機能が衰えて血液が脚に留まってしまうせいで血の水分が細胞にたまり、脚がむくみます。
筋肉が膨らむと血を上に押し戻し、逆に緩んでいるときは静脈の弁が閉じて逆流を防ぐようになっているんだ。
ふくらはぎの筋肉が弱って緩みっぱなしだと、血を押し戻せずむくむので、自宅でできる簡単な自重筋トレでむくみ対策だ!
下腿三頭筋の自重筋トレ(エクササイズ)
下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)は、比較的大きめの筋体積がありますが、脚の下の方にあるので自重だけでもちゃんと鍛えられます。
難しい動きは一切ない「カーフレイズ」なら、女性でも気軽にチャレンジできるのに美脚効果バツグンなので、今日からさっそく始めちゃってください!
カーフレイズ(ヒールレイズ)
カーフレイズ(ヒールレイズ)は、つま先立を繰り返すだけの単純筋トレです。
壁に手を添えてバランスをとりながら、片足ずつつま先をMAXまで上げては下げを繰り返します。
キツければ両足でやってもOKですし、楽ならなんでもいいので重りを持つとトレーニング強度が上がります。
脚を伸ばせば下腿三頭筋全体を鍛えることができ、脚を曲げればヒラメ筋だけを鍛えることができます。
この作りを上手く使ってインナーマッスルで平べったいヒラメ筋だけを鍛えると、ふくらはぎが太くなりすぎることはないぞ。
シーテッドカーフレイズ
いすに座って膝を曲げたままカーフレイズするやり方です。
腓腹筋がゆるんでヒラメ筋だけを鍛えられますが、上体を重りとして使えないのが弱点なので、ヒザの上に重りをのせて効果を飛躍的にアップさせましょう。
ということで、筋力に自信のない女性や高齢者は、つま先を伸ばすことを意識した踏み台昇降もオススメです。
ストレッチ法~ヒラメ筋&腓腹筋を伸ばそう~
ヒラメ筋&腓腹筋は、どちらも足首を伸ばす働きがあるので、ストレッチはその逆となる足首を曲げる動きを使います。
有名どころでは、準備体操でやるアキレス腱を伸ばすやつ。
他には、壁の前に立ってつま先を上げて、かかとは床つま先は壁につけた状態でカラダを壁に寄せる方法もあります。
こちらは、足裏も一緒にストレッチできます。
座ってやる方法もありますが、体が固いと上手にできないので立ち姿勢をオススメします。
参考までに、座ってやる方法は、片足だけ伸ばして手で足裏を触り、カラダ側に引き寄せます。
膝を曲げるとヒラメ筋だけが伸びる
筋トレと同じく、膝を曲げると腓腹筋は縮んで伸びませんが、この性質を使ったストレッチもあります。
しゃがんで片膝に体重をかけるストレッチなんですが、ランナーが準備運動やクールダウンでやることが多いヒラメ筋のストレッチです。
ヒラメ筋は持続力に優れた筋肉なので、低負荷な運動を長時間するジョギングやランニングにピッタリなんですね。