中殿筋データ【位置と働き】
お尻(殿部)の筋肉は「大殿筋」「中殿筋」「小殿筋」の3つがあり、外側から順に大→中→小の順番で重なっています。
骨盤の側面に位置していて、その一部は大殿筋によって覆われています。
中殿筋は股関節を動かす筋肉で、主な役割は5つあります。
- 脚を体の外側に振る「股関節の外転」
- 太ももを体の外側に向ける「股関節の外旋」
- 太ももを体の内側に向ける「股関節の内旋」
- 脚を前に出す「股関節の屈曲」
- 脚を後ろに出す「股関節の伸展」
中殿筋は、片足立ちのときに骨盤を支える役割があるので、小殿筋と同じく歩くのに欠かせない筋肉です。
足を前に踏み出すとき必ず片足立ちになるので、中殿筋で骨盤を支えないと状態が左右にグラグラ。
私たちが背筋を伸ばして真っすぐあるけるのは、中殿筋のおかげなんですね。
中殿筋は、弱りやすい筋肉の一つです。
歩行時や直立時は二本の脚で体重を支えているため、骨盤を安定させたり重心を維持する中殿筋には、大きな負担がかかり続けています。
中殿筋が弱ってしまうと、直立や歩行時に骨盤が安定しないため体が傾むいてしまって、体が疲れやすくなったり、歩行障害や坐骨神経痛の原因になります。
中殿筋の参考値
筋体積 | 411立方センチメートル |
速筋と遅筋の比率 | 50:50 |
スポーツ動作と中殿筋
中殿筋は方向転換はもちろん、サイドステップを頻繁に行うスポーツにおいてとても重要な筋肉のひとつです。
中殿筋をよく使うスポーツとしては「バスケットボール」や「テニス」、「卓球」、「サッカー」などが挙げられます。
これらのスポーツでは中殿筋を鍛えることで、サイドステップやフェイントなどの動きが機敏になり、パフォーマンスの向上をすることが可能となります。
中殿筋をほぐすと腰痛が和らぐ【ストレッチ方法も紹介】
腰痛の原因は腰じゃなくて、中殿筋にあることも多いです。
なぜなら、お尻の筋肉は腰のクッション材なので、腰に疲れや負担が溜まらないようにカバーしているから。
殿筋が柔らかければ、腰にかかった負担を受け止められるんですが、疲れてカチコチになってしまうと、腰は衝撃をダイレクトに受けなければならず、腰に負担や疲れが溜まって痛みを感じ始めます。
ストレッチ方法として、テニスボールを使う方法があります。
ボールを床など固い場所に置いて、お尻のえくぼの上あたりをぐりぐりするとほぐれます。
中殿筋のトレーニング方法
中殿筋は、人間の筋肉の中では比較的大きい部類に入り、歩くときに活躍するとはいえ、人体の横側にあるので日常的な動きで鍛えることはちょっと難しいんです。
そのため、中殿筋は、横動き(カニ歩き)のような日常ではめったにしない動きを取り入れたトレーニングで効果的に鍛えられます。
- ヒップアブダクション
- サイドランジ
ヒップアブダクション
ヒップアブダクションは、体を横にして上になった脚を上げるトレーニングです。
単調な動きと弱い負荷なので、エクササイズとしてもいいです。
サイドランジ
サイドランジは、立った状態から横に脚を踏み出します。
横方向の動きで中殿筋に刺激を与えられるほか、太もも回りもサブ的に鍛えることができます。