恥骨筋の役目・役割
恥骨筋は、内ももに5つある筋肉で構成される内転筋群の1つです。
内転筋群は、どれも恥骨と大腿骨をつなぐ筋肉で、脚を内側に振ったり脚を閉じる動き(内転)の主筋肉ですが、恥骨筋は内転筋群にありながら主な働きは太ももを内側に向ける「内旋」の動きです。
その他にも、脚を前に出す「股関節の屈曲」や内転筋群の主な働きでもある脚を内側に振る動作である「股関節の内転」にも働きます。
また、恥骨筋は二重神経支配の数少ない筋肉といった特徴もあります。恥骨筋の表層には「大腿神経」、恥骨筋の深層には「閉鎖神経」が位置しています。そのため、股関節周辺の痛みに関与する可能性が高い筋肉のひとつでもあります。
恥骨筋と日常生活
恥骨筋は日常生活で主に「股を閉じる動作」に働きます。
また、恥骨筋を含む内転筋群と外転筋群は骨盤の安定を保つために重要な役割を果たしています。
内転筋群と外転筋群の働きがバランス良く行われないと、骨盤の安定性がなくなり横ブレが生じて、歩行時にも少なからず影響してきます。
恥骨筋などの内転筋群は、骨盤~太ももの内側へと繋がっているため、鍛えることによって身体のバランスや内臓、下半身への影響が出てきます。代謝不良の改善や骨盤の歪み改善、便秘の解消効果が現れます。
また、内転筋群を鍛えることで美脚効果があることを分かっています。恥骨筋を含む内転筋群を鍛えることでO脚が解消し、美脚になることが可能です。
一方、恥骨筋を含む内転筋群が弱ってしまうと骨盤の安定に大きく悪影響を与えてしまい尿漏れや骨盤の歪み、代謝不良や便秘などといった様々な身体への影響を及ぼします。また、恥骨筋はスポーツによる運動ストレスを原因とした炎症や打撲などで起こる恥骨結合炎が発症する場所でもあります。
これを予防するためにも、恥骨筋を動かすトレーニングやストレッチは大切となります。スポーツではもちろん、日常生活において尿漏れや便秘などに悩んでいる方も恥骨筋を鍛えるようにしましょう。
もし、恥骨筋を含む内転筋全般を鍛えて引き締めたいなら「【図解】内転筋※筋トレで美脚やバランス力UPする鍛え方」のページもどうぞ。
恥骨筋のスポーツ動作での役割
恥骨筋を最も使うスポーツには代表的なものとして「水泳」が挙げられます。
特に平泳ぎの場合には、脚の使い方が股を閉じる際に行う動作と同じ動きをするため、股関節の内転が行われ恥骨筋が大きく関与します。
恥骨筋を使うその他のスポーツとしては「サッカー」や「ラクビー」、「ウエイトリフティング」などが挙げられます。
恥骨筋のトレーニング法
恥骨筋の位置的に、太股内側に刺激を与えられるトレーニングが有効です。
横になって内ももを集中的に鍛えられる「ヒップアダクション」、バランスボールに片足を上げて、横に伸ばしたり体に引き寄せる「ゴルディーズ・レッグブラスター」、足を広げてスクワットする「ワイドスタンス・スクワット」が代表的なトレーニング。
内ももトレーニングをやり始めるなら、この中で一番やりやすいヒップアブダクションをオススメします。