ヒップレイズは、お尻を上げて腹筋を引き締める、負荷の低いトレーニングだ。
特にヘソ付近(腹直筋下部)に効かせて、ぽっこり下腹の引き締めができ、「お腹回りを細くしたい」「シックスパックになりたい」、これからトレーニングを始める人向けだぞ。
道具は何もいらないから、今からお腹の引き締めを始めよう!
ヒップレイズは、絶えず動き続けるやり方があり、負荷が低いからエクササイズとしてやってみるのもいいぞ。
お尻を上げて股関節を曲げて腹筋を縮めることで腹周りをシェイプアップするんだが、股関節の動きもあるので歩行やスポーツで大切な腸腰筋を鍛えることもできる。
リバースクランチ・レッグレイズとの比較やヒップリフトとの違いもまとめておいたので、ぜひご覧いただきたい。
それでは、ヒップレイズのやり方を見ていこう。
メインターゲット筋肉 | 腹直筋(下部)、腸腰筋 |
レベル | 初級者~上級者 |
目的・効果 | お腹を絞る、下腹ぽっこり解消 |
【図解】ヒップレイズのやり方(ヒザ胸方式)
ヒップレイズには、膝を胸に近づける「ヒザ胸」と、垂直に上げた脚をさらに上げる「脚上げ」の2通りある。
前者はとことん股関節を曲げ、後者は脚を垂直に伸ばしていく。
ヒザ胸・脚上げは、このサイトで独自ネーミングさせていただいた。
ここでは、動きが簡単なのに腹直筋に負荷をかけやすい「ヒザ胸」を紹介させていただこう。
1:セットポジションを作る
敷いたマットのうえに仰向けに寝てヒザを折り、股関節を曲げて脚をあげよう。
手と腕は体の支えになるので、若干ワキを開いて広めに置くとバランスが取りやすくなるぞ。
2:お尻を上げる
息を吐きながらヒザを胸に近づけるようにお尻をあげると、股関節がもっと曲がって腹筋に刺激を与えられる。
もうこれ以上動けないところまで曲げたら、元に戻ってもいいタイミングなんだが、スグに元に戻さないでヒザを胸に押し付けるようにして1~2秒キープすると、強めの圧を腹筋にかけ続けることができるんだ。
ここが、ヒップレイズでいちばん美味しい(腹筋を最も刺激できる)ところだから、逃さないようにしたい。
ヒザを胸に近づける意識だけで動かすと、お尻が上がらず股関節も動かないので効果がないから注意してほしい。
お尻が上がり、腰も浮き、背骨が曲がって股関節が動いて、ヒザと胸を限界まで近づけられるんだ。
3:元に戻す
息を吸いながらお尻を元の位置に戻したら終了。
ここまでを1回として、10回1セットを3セットやろう。
ヒップレイズができないときのコツ
ヒップレイズができない原因は、先ほど紹介した「ヒザ胸」じゃなくて「脚上げ」をやっているからだろう。
垂直に上げた脚をさらに上げる「脚上げ」は、お腹周りの筋肉が強くないと難しいんだ。
正しくやると効果はあるんだが、トレーニングを始めて日が浅いうちは難易度が高いぞ。
先ほど図解でお伝えしたやり方なら、トレーニング初心者でもヒップレイズを必ずできる!
ヒップレイズ(脚を真上に上げる)のやり方
脚を垂直にあげていくヒップレイズは、ヨガの「肩立のポーズ」の背中を付けたバージョンといえば、フィットネスやエクササイズ経験者には分かりやすいと思う。
画像は、メディシンボールを持ってお腹に多くの負荷をかけるバリエーショントレーニングなので、お尻(脚)の上げ方だけを参考としてご覧いただきたい。
それでは、やり方を紹介するぞ。
- 仰向けに寝て、脚を垂直(真上)に上げる(セットポジション)
- お尻を上に持ち上げて1・2秒静止する
- セットポジションに戻る
お尻をあげるというよりも、腹筋の力で脚を持ち上げる(送り出す?)ような動きをするのが特徴だ。
自分から腹筋を意識するので、お腹(下腹)への負荷はより強くなる。
このとき、腕&手で床を強く押しながらお尻を上げると、上体が安定してより高く持ち上がる。
脚上げヒップレイズは、重量物である脚部を上体(体幹)でぶれないように支えることで、トレーニング効果を発揮できるんだ。
動作は小さく地味だが、思ったよりも難しい。ヒザ胸ヒップレイズに物足りなくなったら、試してみよう。
ヒップレイズは腰痛でもできる!その理由
ヒップレイズには、腰へのダメージが少ない・腰痛でもやりやすいメリットがあるんだ。
ヒザ胸式は、重量物(脚)を重力に向かって動かすから、腰への負担はとても軽くなる。
参考
同じ腹筋トレーニングであるシットアップ(腹筋運動)やレッグレイズは、重量物となる上半身または下半身を重力とは反対方向に動かすので腰への負担が大きくなります。
垂直脚上げ式は、重力(下方向)と反対側(上方向)に重量物(脚)を持ち上げるけど、脚が体幹部に乗っかっているから、腰への負担は低くなる。
なので、ヒップレイズは腰への負担は低いので、腰に不安がある人向けにもピッタリなトレーニングなんだ。
ヒップレイズ×レッグレイズ(私のバリエーション)
ヒップレイズのセットポジションと、レッグレイズのフィニッシュポジションは似ていると思わないか?
図解で確認する限り、全く同じ!
そ・こ・で・だ!
私は、レッグレイズのセットポジションでスタートしてヒップレイズでフィニッシュし、レッグレイズのセットポジションに戻って1回。
こんなやり方をしているぞ。
手順はこうだ!
1:セットポジションを作る
まずは、レッグレイズのセットポジションを作ろう。
2:脚を上げてからお尻を上げる
レッグレイズをして、脚が90度まで上がったらそのままヒップレイズに移行。
レッグレイズは脚が垂直に上がると負荷が抜けて効果がなくなるが、そのままヒップレイズをすれば、一瞬負荷は弱まるけれども、負荷をかけ続けられるんだ。
2つの種目を一連の流れでやることになるが、この間は息をずっと吐いたままだぞ。
元の姿勢(セットポジション)に戻る
息を吸いながら、セットポジションに戻していこう。
ヒザ胸方式は、レッグレイズ状態(お尻が床につく)になるまで負荷が抜けてしまうのがデメリットだが、垂直脚上げ方式ならずっとお腹にテンションをかけ続けられるんだ。
ヒザ胸ヒップレイズで紹介したが、脚上げヒップレイズでもできるぞ。
脚上げの方が、腹筋にかける圧が強く時間が長くなるので、より下腹を引き締められる。
とはいえ、ヒザ胸なら股関節の可動域がめっちゃくちゃ広いので、運動性・お腹と股関節の連動性が高いし有酸素運動っぽさもある。
つまり、脚上げなら筋トレ、ヒザ胸ならフィットネス&エクササイズとしてトレーニングに取り入れられるよ。
ヒップレイズの類似トレーニングと比較してみた
ヒップレイズの動きや姿勢は、リバースクランチとすっごく似ている。
そして、ヒップレイズとレッグレイズは、同じ姿勢になるし鍛えられる筋肉も共通だ。
そこで、似たもの2つのトレーニングとヒップレイズの違いを紹介していこうと思う。
ヒップレイズとリバースクランチとの違い【比較】
クランチとは腹筋運動の一種だが、リバースクランチは上半身ではなく下半身を上げて腹筋に負荷をかけていくトレーニングだ。
床に寝そべって膝を曲げて足を床につけた状態から、足・尻・腰を上げてヒザが胸の近くにきたらフィニッシュ。
そう。ヒザ胸ヒップレイズは、リバースクランチの後ろ半分だけの動きなんだ!
リバースクランチは、一連の動作中ずっとお腹に負荷をかけられるので、ヒザ胸ヒップレイズよりもトレーニング効率は上だ。
腰へのダメージも少ないから、ヒップレイズ(ヒザ胸)よりリバースクランチの方がいいと私は思う。
ヒップレイズとレッグレイズとの違い【比較】
レッグレイズとヒップレイズの共通点は、「ヒップレイズ×レッグレイズ(私のバリエーション)」でも解説したとおり、レッグのフィニッシュとヒップ(垂直脚上げ)のセットポジションが同じということだ。
違いとしては、脚を動かす方向と量。
分かりやすくまとめると、腹直筋に効かせやすいのはレッグレイズで、腰の負担が軽いのがヒップレイズ(垂直脚上げ)。
腹筋が力強く育ってきて、どちらも1回を同じ秒数こなせるならヒップレイズの方が効くと私は感じているが、レッグレイズはウエイトで強度アップできるのが強みだな。
強度の強さは、体幹的には、次のとおりだと思っている。
【弱】ヒップ(1~2秒) < レッグ < ヒップ(4秒)< レッグ(ウエイト)【強】
レッグレイズは腰に負担がかかることを頭に入れながら上の表を見れば、どれが自分に合っているのか分かると思う。
強い負荷を求めるなら、レッグレイズ×ヒップレイズ(ヒザ胸)の方が強度は高く、レッグ×ヒップ(垂直脚上げ)はもっと強度が高いが、腰への負担は増えるので体の状態と相談しながらトレーニングしよう。
【コラム】ヒップレイズとヒップリフト
ヒップレイズとヒップリフトは名前が似ててややこしいが、まったく別物のトレーニングだ。
ヒップリフトはバックブリッジとも呼ばれる、動きが一切ない体幹トレーニングなんだ。
脚を浮かせたままのヒップレイズとは、動きもターゲット筋肉もまるっきり違うぞ。