腓骨筋の役目・役割
腓骨筋(ひこつきん)は腓骨筋群とも呼ばれていて、膝から足首までを走る筋肉の集まりです。
長腓骨筋、短腓骨筋、第三腓骨筋と3つの筋肉によって構成されていますが、どれも足の関節を外側にひねる作用を持っています。
足の関節を外側にひねるということは、足の小指を持ち上げるという動作をすることで負荷がかかるということですね。
腓骨筋は、靭帯の損傷や捻挫を予防する役割があり、スポーツをしている人もしていない人も、誰もが日常的に鍛えたほうが良い筋肉の一つでもあります。
腓骨筋の主な働き(スポーツ&日常生活)
腓骨筋は、歩いたり走ったりの動作を行う時に貢献してくれる筋肉です。特に路面が凸凹していたり安定性に欠ける場所だと、歩く際に足首をスナップを利かせて角度を調整し、体のバランスを取らなければいけません。そうした状況の時に、腓骨筋はより高い貢献をしてくれる筋肉なのです。
スポーツにおいては、ほぼすべての競技で腓骨筋は重要となりますが、特に陸上スポーツの場合には、腓骨筋にかかる負荷が大きくなります。
腓骨筋はインナーマッスルなので、トレーニングしてもひざ下のパンプアップ効果はそれほど期待することができません。しかし、鍛えることで足の関節をひねる動作をする時にダメージを受けにくくなり、捻挫や靭帯損傷のリスクを大幅に軽減できます。
腓骨筋が弱くなってしまうと、負荷を与えた時に靭帯がついていけずにアキレス腱が炎症をおこしてしまったり、アキレス腱が断裂しやすくなります。また、筋肉が負荷についていけずに肉離れを起こしたり、足の関節部分が骨折したり脱臼するなどのリスクも高まります。
腓骨筋のトレーニング
腓骨筋のトレーニング方法ですが、大掛かりなトレーニングマシンを使わなくても効率的に鍛える方法があります。
例えば、裸足や靴下の状態で、足の内側に体重をかけて歩くと、この部分の筋肉に負荷をかけることができるので、トレーニング効果が期待できます。
また、足首を左右から交互に負荷をかけて、内反させた状態と外反させた状態を繰り返すという作業もおすすめです。
腓骨筋の中でも短腓骨筋を鍛えるには、ジャンプをしたり走ったりという動作をすることによって足の裏の筋肉を全般的に鍛えることができるでしょう。これなら、日常生活の中でもトレーニングができるのではないでしょうか。
さらに、腓骨筋の第三腓骨筋を鍛えるには、タオルギャザーというエクササイズも効果的です。これは、床に広げたタオルを足の指だけで手繰り寄せるという簡単なエクササイズで、楽しみながらできるトレーニング法といえますね。
ただし、足を内反させて移動すると、意図しないミスで足首を痛める恐れがあります。
もっと安全に腓骨筋を育てたいなら、カーフレイズがオススメです。下腿三頭筋を目的に行うトレーニングですが、すぐ傍んいある腓骨筋にも効果があります。
腓骨筋群のストレッチ&マッサージ
腓骨筋のストレッチやマッサージには、足ウラを内側に向ける「内反」の動作を使います。
足を内反、小指とかかとのラインで立つようにしたら、内反角度を少しずつ大きくしていき、ふくらはぎ横側が伸びてるのを感じたらそこでキープしましょう。
ほかにも、座った状態で右足を左膝の上に乗せ、手で右足ウラが自分の顔に向くように内反させる方法もあります。
腓骨筋のテーピング方法
腓骨筋のテーピングは、スポーツ中の捻挫防止になります。
テーピングは、腓骨筋に沿って行います。
膝の横からくるぶしまでが腓骨筋の位置ですが、足を内反させる動作機能上、さらにテーピングを足ウラまで伸ばして足指の付け根まで貼ります。
こうすることで、足を内反させにくくなり腓骨筋の働きを抑えることができます。
腓骨筋は、くるぶしのかかと側を通っているので、足ウラまでテープを伸ばすときは、くるぶしとアキレス腱の間を通すようにテーピングします。