僧帽筋(そうぼうきん)は、背中上部の大型な筋肉。
背中のアウターマッスルは、上部が僧帽筋で下部が広背筋と考えてほぼ間違いないほどの面積を占めているぞ。
一般的な知名度はそれほど高くなく、どちらかといえばスポーツをやっている人やトレーニングに興味がある人に知られている筋肉といえるから、このページを見ている君はそれなりの知識やスポーツスキルを身に着けているのでは?
僧帽筋の構造と役割
僧帽筋は、首・肩・背中中央とつながっている。肩甲骨の上部を覆い、下端は第12肋骨、つまり一番下の肋骨まである広い筋肉だ。
アウターマッスルなので、筋繊維を皮膚越しに目で見ることができるし、首と肩の間を触るとそこが僧帽筋だ。
背中を見たとき、首から肩のラインを含め背中真ん中あたりまでの中央ラインがムッキムキなら「コイツ、僧帽筋を鍛えているな」と思ってもらってOK。
こんなに幅が広く、肩・首・背中と広い可動域をカバーしているため、筋繊維が走る向きごとに上部・中部・下部の3つに分けられている。
- 上部:首から肩(繊維は首からナナメ下に向かう)
- 中部:肩から背中中央(繊維は真横)
- 下部:肩甲骨下部から背中中央(繊維は中央へとナナメに走る)
広背筋の参考値
筋体積 | 458立方センチメートル |
速筋遅筋比率 | 速筋46.3:遅筋53.7 |
それにしても、「僧帽筋」という名前に違和感を感じないか?
だって、僧侶の帽子の筋肉だぜ?
実際、カトリック僧侶の帽子の形に似ているから僧帽筋と呼ばれているんだ。うーむ、似ているような、似てないような・・・。
僧帽筋の働き
僧帽筋は、肩甲骨を動かすための筋肉だ。
肩甲骨の可動域が広いほど肩も大きく動くので、肩のサポート筋肉でもある。
場所によって繊維の向きが違うことから推測できるようにそれぞれ働きが違っているんだが、主だった働きは肩甲骨を上に動かす役割を担っている。
つまり、肩を上に動かす(上げる)ときに使われる筋肉なので、腕を上げたり肩をすくめたりするとき、肩のメイン筋である三角筋の動きをサポートしているぞ。
日常では、物を持ち上げるときに良く使われている。
また、広背筋同様、ものを引くときも作用しているんだ。
背中にあって肩を動かす筋肉の1つと思ってもらって結構だ。
スポーツ動作と僧帽筋
肩・腕を使うスポーツでは、肩甲骨の可動域の広さがパフォーマンスに直結することもある。
可動域を広げるならストレッチで柔軟性を養うことが欠かせないが、ここでは、僧帽筋を鍛える、つまり筋肥大により絶対的なパワーを高めるメリットのあるスポーツ動作について紹介していこう。
広背筋と同じく、組んだ腕を引いて、相手を自分寄せるときにパワーを発揮するぞ。
タックル時に頭部をしっかり固定するぞ。首の付け根から始まる大きな筋肉なので、頭部の固定にパワーを発揮するんだ。鍛えると首が太くなって衝撃への耐久性も増して脳揺れも防ぐ。コンタクトスポーツではとても大切な筋肉だ。
より重いバーベルを上に引き上げるために、トレーニングは必須だ!
オール漕ぎは肩で行うので、肩の動きをサポートする僧帽筋のパワーアップは、引く力の増加に役立つぞ。一緒に広背筋や菱形筋も鍛えておこう。
僧帽筋のトレーニング方法
僧帽筋を鍛えるなら、立った状態で肩を上下動させるトレーニングが有効だ。
となると、自重トレーニングはほぼ無理で、何かしらの道具が必要となる。
一番やりやすいのは、タオルを使ったタオルローイング。
そのほか、背中の筋肉トレーニングの定番であるチューブやダンベルを使ったものがたくさんあるので、いろいろ試してみて好みのものを普段のトレーニングに採用してみてはどうだろうか。