腹直筋は、お腹の正面真ん中にある大きな筋肉でいわゆる「腹筋」と呼ばれているぞ。
大きな筋肉なので上部と下部に分かれていて、上部を鍛えるだけでお腹が4つに割れる(フォーパック)になれるし、下部も鍛えると2つプラスのシックスパックになれるし、ぽっこりお腹対策にもなる。
見た目にもインパクトがあるだけじゃなく、スポーツや日常生活でもよく使われる筋肉なので、しっかりトレーニングしてほしい。
腹直筋の構造と役割
恥骨(骨盤の下の方)から始まり、第5~7肋骨で終わる、面積が広い筋肉。
だが、腹直筋の奥に腹横筋と内臓があるため、実は見た目の大きさのわりに体積は意外と小さいぞ。
中央に、白線(はくせん)と呼ばれる1本の長い腱が縦に走っている。
腹直筋を鍛え始めると、まずは縦線が入って左右2つに割れるのはこのためだ。
また、横に3本の腱(腱画:けんかく)が走っているので、合わせて8つのパーツに分けられているのだが、鍛えると、このうちの6つが目立って浮き出るのでシックスパックになれるんだ。
人によっては、生まれつき腱画を4本もつ体質の人もいる。
この場合、腹直筋は10個のパーツに分かれ、鍛え上げると8つに割れるのでエイトパックを作り上げることができる。
6パックと8パックの違いは、生まれ持った腱画の数の違いによるものなので、誰でも8つに割ることができるワケではないことを覚えておいてほしい。
腹直筋の参考値
筋体積 | 170立方センチメートル |
速筋遅筋比率 | 速筋54:遅筋46 |
腹直筋の働き(日常生活編)
腹直筋は、カラダ(上体)を前に曲げる(前屈)させるための主筋肉。
おじぎや前かがみ、仰向けの上体から起き上がれるのも、腹直筋の働きによるものだ。
また、肋骨の無い部分でいちばん上層に位置しているので内臓の保護やバランス取り、息を吐くときに胸郭を引き下げるサポートもしている。
- 上体を前に曲げる(前屈)
- 内臓の保護
- 内臓の位置のバランス取り
- 呼吸の補助
何気ない日常動作は、腹直筋の働きなしでは考えられないほど重要な筋肉である。
そのため、意図しなくても腹直筋が使われているが、体積が大きくないので消費カロリーは少ないのが盲点だ。
腹直筋の働き(スポーツ編)
腹直筋は、体幹の筋肉なのですべてのスポーツで使われていてその重要度は高い。
前にかがんだり、上体の姿勢を維持する動きが多い種目ほど、腹直筋をしっかり鍛えてほしい。
野球 | バッティング姿勢や守備姿勢の維持 |
サッカー | 接触時のフィジカル強化 シュート動作中の上体姿勢維持 |
体操(吊り輪・鉄棒) | 姿勢維持 |
打撃系格闘技 (ボクシング・空手など) |
打撃から内臓を守る |
腹直筋のトレーニング方法
腹直筋は、主に自重筋トレで鍛えることができるので、道具を使わないトレーニングを中心に紹介しよう。
初級~中級
腹直筋は上下に広いので、このレベルのトレーニングは上と下を分けて鍛えることになる。
オススメは、上部を集中的に鍛えるクランチと、下部を集中的に鍛えるレッグレイズorヒップレイズのコンビネーション。
これをやっておけば、ほぼ間違いないともいえる王道メニューだ。
動きのないトレーニングがいいなら、フロントブリッジ(プランク)がベスト。
体幹部をまんべんなく鍛えらえるので、アスリートのトレーニングメニューにも取り入れられているぞ。
中級~上級
初級をかるがるできるようになったら、こちらにレベルアップしてみてほしい。
腹筋ローラーは専用の道具が必要だが、全身をまんべんなく鍛えられて効率の良いトレーニングだし、肩関節や股関節の動きも入るので筋肉の連動性にも有効だから、スポーツの実践的な動きにも少なからず役に立つだろう。
正直、かなりいいので、ゼヒ取り入れてほしいと思っている。
上級
ここまできたら、君は筋トレのプロだ!
きっと、すでにシックスパックで羨望のまなざしを浴びていることだろう。