胸の筋肉といえば、やっぱり大胸筋。
自重の腕立て伏せ(プッシュアップ)が筋トレの定番だが、慣れてくると負荷が物足りなくなったり、飽きてしまったり。
でも、「ダンベルやバーベルのようなフリーウエイト系筋トレはまだ早いんだよなぁ」というときにこそ、チューブを使った胸筋トレに励んでみよう。
ここでは、2種類の腕立て伏せ(チューブ腕立て伏せ・チューブデクラインプッシュアップ)とチューブチェストプレスの、あわせて3つを紹介します。
まずは、チューブ腕立て伏せ(チューブプッシュアップ)をやってみて。
それから、負荷の高い(キツイ)デクラインと負荷の低い(楽)チェストプレスを使い分けると、胸のトレーニングがスムーズにいくよ。
チューブ腕立て伏せ(チューブプッシュアップ)
チューブプッシュアップは、プッシュアップ(腕立て伏せ)のチューブ版。
動きは腕立て伏せとまったく同じだけれども、背中に回したチューブのおかげで驚くほど負荷が跳ね上がるんだ。
硬いチューブを選べば、回数をこなすのが一気に難しくなり、やりがいがグンッと上がるよ。
回数 | 鍛えられる筋肉 |
8~12回 | 【メイン】大胸筋(胸)、上腕三頭筋(腕)、三角筋(肩)、【サブ】小胸筋(胸)、ローテーターカフ(肩) |
【図解】チューブ腕立て伏せ(チューブプッシュアップ)のやり方
1:スタートポジションを作る
まずは、チューブを肩の背中側にぐるっと回す。
腕をたたんだ(肘を曲げた)状態で、チューブに遊びがなくなるように長さを調節しよう。
チューブを巻いたら、床に手とつま先を着けて背筋をピンと伸ばし、腕を伸ばして前を向いたらスタートポジションのできあがり。
2:肘を曲げる
普通の腕立て伏せ(プッシュアップ)と同じく、肘を少しずつ曲げて体を床に近づけていく。
この場面では、伸びたチューブが縮んでいくので、負荷的には普通の腕立てと一緒だ。
胸が床すれすれまで体を落としたら、次はスタートポジションに向けて腕を伸ばしていく。
このとき、チューブがグググッと伸びるので、自重以上の負荷が得られるんだ。
チューブプッシュアップのコツ
これは私の体感だが、チューブをかける位置によって負荷を変えることができる。
肩に近いほど負荷が増し、腰に近いほど負荷が下がる。
腰にチューブを回すと、腰折れして正しいフォームを維持しにくくなるからやめた方がいいよ。
肩か肩甲骨の下が現実的だと思う。
話は変わって、スタンス的にはノーマル(肩幅の1.5倍)だが、手の位置を変えると効かせられやすい筋肉が変わってくる。
ナロー(手をくっつける)だと二の腕(上腕三頭筋)に効き、ワイド(肩幅2倍以上)だと肩(三角筋)に効かせやすくなるんだ。
やり方のバリエーションは普通の腕立て伏せのものがほぼできる(手をたたくクラッププッシュアップは無理)。
片足上げだと、バランスが取りにくくなるから体幹トレーニングにもなって一石二鳥。
ナロースタンスの片足上げは、さらにバランス感覚が要求されるよりハイレベルなトレーニングになるぞ。
最後に。当たり前だが、チューブを何重にも重ねると負荷が増す。
そして、短ければ短いほど負荷が増すから、筋力に合わせていつまでもトレーニングを楽しめるのもチューブ腕立て伏せのいいところだと思うんだ(ただし、腕・肩に食い込んで痛いけどね)。
チューブデクラインプッシュアップ
足より手の位置が低い姿勢でやる腕立て伏せがデクラインプッシュアップ。
これの、チューブ版がこの種目だ。
普通のチューブ腕立て伏せよりも負荷が強いので、筋肉盛りがはかどるっ!
回数 | 鍛えられる筋肉 |
8~12回 | 【メイン】大胸筋(胸)、上腕三頭筋(腕)、三角筋(肩)、【サブ】小胸筋(胸)、ローテーターカフ(肩) |
【図解】チューブデクラインプッシュアップのやり方
1:スタートポジションを作る
チューブデクラインプッシュアップとチューブ腕立て伏せの違いは、足場の高さだけ。
それ以外はまったく一緒なので、特に説明は不要だろう。
1つだけ気を付けるとしたら、チューブの長さを決めてカラダに巻いてから、足を台に乗せると安定するってこと。
それと、もう1つ思い出した。
スタンスは、ノーマルorワイドorナローのどれでもOKだが、スタンスが広いほど姿勢が安定するよ。
チューブチェストプレス
胸・肩・腕を鍛えるのにちょうどいい腕立て伏せは、運動経験がない人にとって以外と負荷が高いんだよね。
冗談抜きで、腕立てを1回もできない人がいるくらいだから。
チューブチェストプレスは、腕立てが大の苦手さん向けのトレーニング。
その負荷の低さは、膝をついた腕立て伏せよりもカンタンなほど!
腕立てに苦手意識があるなら、まずこれからやってみて欲しいっ!
回数 | 鍛えられる筋肉 |
8~12回 | 【メイン】大胸筋(胸)、上腕三頭筋(腕)、三角筋(肩)、【サブ】小胸筋(胸)、ローテーターカフ(肩) |
チューブチェストプレスのやり方
1:スタートポジションを作る
まずは、チューブのセッティングから。
立つかイスに座った姿勢でチューブを両手に持ち、胸の高さで背中に回す。
チューブは、腕の外・内(ワキ)のどちらを通してもOK。
私は内側派。
だって、チューブが硬いと、上腕三頭筋(二の腕)に食い込んで痛いもん。
背筋を伸ばし、ヒジを90度に曲げて手を前に出したら、セットポジションのできあがり。
2:手(腕)を前に出す
ゆっくりと腕を前に出してヒジを伸ばすと、腕や胸に負荷をかけられる。
このとき、手を胸の高さで動かすのが正解。
手を伸ばし切ったら、同じスピードでスタートポジションに戻そう。
チューブチェストプレスのコツ
スタンスは、ワキの開閉で変えられる。
開けばワイド、閉じればナロー。
それぞれの効果は、腕立て伏せと一緒なんだ。
- 【ワイド】メイン:胸・肩、サブ:二の腕
- 【ナロー】メイン:胸・二の腕、サブ:肩
腕を上に伸ばすと肩(三角筋)や背中(広背筋・僧帽筋)のトレーニングになるが、胸にほとんど効かない。
下に伸ばすと「これ、ドコに効いてんの?」ってくらい負荷を感じられない。
胸の高さで動かしているのに「効きが悪いな」と思ったら、チューブの高さを再確認しよう。
スタートポジションでは、肩甲骨を寄せると可動域が広がるし、肩が正しく動くので、胸に効かせやすくなる。
その理由は、大胸筋は胸ありながらも「肩関節を動かす筋肉」だからなのだっ。
8~12回なんてスグ楽勝でこなせると思うから、できるなら20回までやってみよう。
それ以上は、硬めのチューブに変えるか、腕立て伏せをやるのがいいよ。
チューブチェストプレスが20回できるなら、腕立て伏せ(膝つきでも可)を8回はできるようになっているだろうからね。
胸のチューブトレーニングのまとめ
胸のチューブトレーニングは、腕立て伏せより強いor弱いのどちらにも対応してるのはお分かりいただけたハズ。
基本は腕立て伏せ。
できるならチューブ系腕立て伏せで、できないならチューブチェストプレスという具合にトレーニングを進めていこう。