腹斜筋(ふくしゃきん)は、いわゆる脇腹(横腹)の筋肉で、外腹斜筋(がいふくしゃきん)と内腹斜筋(ないふくしゃきん)の2つの筋肉からなっているぞ。
腹斜筋を鍛えると、くびれを作ったりウエストを引き締めることができる。
そのため、女性的な筋肉ともいえなくないが、男性なら逆三角形ボディに欠かせないし、スポーツでも重要な役割があるのでしっかり鍛えて欲しい。
腹斜筋の構造と役割
腹斜筋は、肋骨から始まり、お腹正面の腹直筋にくっつく筋肉だ。
「外」と「内」の2つに分かれていることからも分かるように、重なるように配置されている。
外腹斜筋は脇腹のいちばん表層にあるので筋肉の形が目に見えるが、内腹斜筋はインナーマッスルなので鍛えても見ることはできない。
カラダを曲げたり捻じるメインの筋肉なので、毎日、必ず使っているものの、意識して使うことがないので、ワキ腹だけたるんでいることはよくあるだろう?
これが、ウエストが引き締まらずクビレない原因だ!
男性なら逆三角形ボディに、女性らしいボディラインになるために鍛えておきたいマッスルだぞ。
まさに、生まれながらに持っている自分専用の体内内蔵コルセットだな、うん。
腹直筋の参考値
筋肉の名前 | 外腹直筋 | 内腹直筋 |
筋体積 | 70立方センチメートル | 73立方センチメートル |
2つ合わせた体積は、143立方センチメートル。
腹直筋の170と合わせると313立方センチメートルとなるが筋肉体積のトップ10以下という意外性を持ちつつも、鍛え上げた見た目のインパクトは強烈だ。
腹斜筋の働き(日常生活)
外腹斜筋と内腹斜筋は、働きがほぼ同じなので「腹斜筋」とひとくくりにされることが多い。
腹斜筋は、カラダ(上体)を横に傾ける「屈側」と左右にねじる「回旋」の働きがあるほか、腹直筋と一緒に前かがみになる「屈曲」の働きもしているぞ。
外腹斜筋と内腹斜筋の違いは、外と内の配置だけではない。
例えば、カラダを右側に捻じったとしよう。
このとき、左側の外腹斜筋と右側の内腹斜筋が使われている。
つまり、外腹斜筋はカラダを反対側にひねる働きがあり、内腹斜筋は同じ側にひねる働きを持っていて、両側の違う筋肉がバランスよく働いて上体をねじったりひねったりすることができているワケだ。
- 上体を横に曲げる(側屈)
- 上体をひねる・ねじる(回旋)
- 上体を前に曲げる(前屈)
- 内臓の保護
- 呼吸の補助
スポーツ動作と腹斜筋
上半身をひねる・ねじる動きをするスポーツなら、どの競技においても重要な役割を持っている。
なぜなら、ひねる・ねじる動作で貯めたエネルギーを解放することで爆発的なパワーを生み出しているからだ。
腹部のひねりは、骨盤(腰部)の回旋も伴うため上半身のみならず下半身のパワーの源にもなるから、脚部主体の競技でも大活躍すること間違いなしだ!
野球 | バッティングと投球でパワーを作り出します。打球の飛距離が伸び、投球ボールのスピードが早くなります。 |
サッカー | シュートを打ったりパス(ミドル・ロング)を出すとき、必ず上体をねじりパワーを作ることで飛距離とスピードを生んでいます。 |
テニス | フォアハンドとバックハンドともに、ストローク、スマッシュ、サービスで腹斜筋のひねりを使ってパワーとスピードのある打球を打ちます。体はコート横向きなのにストローク直後はネット側に向いていることが多いです。 |
テニス・バドミントン | スマッシュやクリアーの威力が増します。ラケットを持つ手と反対側のシャトルをフォアハンドで打つときの姿勢維持と飛距離&速度アップも。 |
卓球 | フォアハンドショットは上半身のねじれのパワーが大切です。 |
ゴルフ | ティーショットなどバックスイングが大きいショットほど、ねじった上半身を一気に開放して飛距離を生み出しています。 |
打撃系格闘技 (ボクシング・空手など) |
打撃の威力が増すだけじゃなく、打撃から内臓を守ります。 |
腹斜筋のトレーニング方法
自重で腹斜筋をトレーニングは、一連の動きのなかで腹直筋も一緒に鍛えるものが多いのだが、腹直筋は動かしやすい反面腹斜筋は意識して動かすことが少ないことから、正しい動きをしないと横腹に効きにくいのが難点だ。
中でも、クランチに捻じる動きを加えたサイドクランチが王道だが、はじめのうちは負荷が高いと感じるかもしれない。
負荷強度を落とすならニートゥエルボーがいいだろう。
強度は低いが動きが複雑化するのがデメリットだが、手脚の動きも使うので筋肉の連動性を養うことができるのでスポーツトレーニングとしては有効だぞ。
そこで、一切動きのないサイドブリッジ(サイドプランク)なら失敗も少なく、体幹部をまとめて鍛え上げられる。
負荷のバリエーションも豊富でスポトレ向きといえるので、最初はこれがオススメ。
屈強なフィジカルでスポーツ成績を上げたりマッチョボディを目指すなら、ダンベル種目だがサイドベント(中級者以上)を追加したい。
女性のくびれづくり向けならレッグツイストでキマリだ!
ぜひとも、自分の理想ボディに合ったトレーニングを選んで腹斜筋を鍛えて欲しい。