「筋肉が欲しい!」
ガリガリ体型だと、「折れそう」とか「何食べてんの?」みたいにイジられ、けっこうみじめな思いをしたりコンプレックスに感じているのでは?
私のガリガリ時代は、近所の保育園の前を歩いていたら園児にさえ「ガリガリ」と言われるほどで、「細身が自慢だったけど細いだけじゃダメなんだ!」と考えを改めたほど。
ここでは、
- 筋肉をつけるどころか太ることさえもままならない
- 体重は増やせるが筋肉脂肪とも少ない(運動経験・習慣がない)
2通りの細身体質の人でも、筋肉質な体に生まれ変わるための筋トレ&食事法に加えて、プロテインの選び方と効果的な飲み方を紹介します。
ガリガリでも、筋トレと食事で筋肉質になれる!
筋肉をつけるガリガリ筋トレ法【自宅で自重&ダンベル】
筋肉を大きくするには、とにかく筋肉を使うことが大事!
特にも、筋肉を極限まで追い込むことが筋肥大に欠かせません。
でも、細身の今は筋力に自信がないかもしれません。
しかし、筋肉が少ないことは、低負荷なトレーニングでも筋肉を追い込みやすいメリットにもなるんです!
なので、筋トレをする場所は自宅でOK。
ジムにあるような大がかりなマシンは要らず、体一つとダンベルがあれば肉体改造できる!
【原則】大きい筋肉から筋トレする
筋肉を増やすなら、大きい筋肉を育てるのが手っ取り早い。
なぜなら、大きいから筋肉を動かしやすく(筋トレしやすく)、体積も大きくなりやすいので筋肥大したことがよーく分かりやすいから。
例えば、お腹正面の6つに割れた筋肉は、腹直筋(ふくちょくきん)というたった1枚の筋肉という事実からも、大きい筋肉を育てた方が見た目の変化がハッキリと分かることがお分かりいただけるだろう。
もし、腹直筋の奥にある腹横筋(ふくおうきん)だけを育てても、お腹が6つに割れることは決してない!
また、筋肉は大小さまざま重なって肉体を作り上げていますが、小さい筋肉を集中的に鍛えても、見た目はほとんど変わりません。
例えば、お尻の筋肉。
お尻のいちばん外の筋肉である大殿筋(だいでんきん)は人体最大の筋肉だが、その下には約半分の大きさの中殿筋、さらにその下には中殿筋の1/3程度しかない小殿筋があります。
このように、表層の筋肉(アウターマッスル)が大きく、深部の筋肉(インナーマッスル)が小さいのが、筋肉の特徴。
なので、ガリガリスタイルから1日でも早くムキッとした筋肉を手に入れたいなら、筋体積・筋面積の大きい筋肉を中心に鍛えることが原則です。
筋体積・筋面積の大きい筋肉
胸:大胸筋
腹:腹直筋
背:広背筋
肩:三角筋
脚:大腿四頭筋、ハムストリング、下腿三頭筋
筋トレの回数と頻度【1種目10回前後で週2~3回】
筋肉を大きくする筋トレは、8~12回を3セットやったとき、「もうできないっ!」と限界を向かえる(オールアウトする)ように強度を調整するのが原則です。
回数が多くても少なくても、筋肉は大きくなりにくいので、勘違いしないでください!
ガリガリ体型のうちは、上半身と下半身に2分割して、日を分けて筋トレをします。
もっと細かく分割するやり方もありますが、細身体型だと、筋力が低いしエネルギー貯蔵量も少ないので、スタミナがもつ短い時間で筋肉を追い込める上下半身2分割なら、筋トレがはかどります。
- 上半身(胸・肩・腹)
- 下半身(脚・背中)
背中を下半身の日にやる理由
背中の筋トレを下半身の日にやるワケは、背中の筋肉に腕を動かす役割があるから。
胸&肩トレでも腕を使うが、背中トレとは動きが違う。
胸肩のあとに背中をやる頃には、腕のスタミナが切れて背中をしっかり鍛えられなくなってしまう。
脚と背中を同時に鍛える筋トレメニューがあるので、下半身の日に背中をやるのがいいんです。
早く筋肉をつけようとして、毎日やるのはご法度です。
なぜなら、披露した筋肉は48時間の超回復ののちに、前よりも太く強い筋肉へと育つから!
なので、上半身を筋トレしたら、2日間休んで下半身とプランニングしてトレーニングを進めよう。
ガリガリ体型だけど筋肉を盛る筋トレ種目【自重・ビッグ3】
まずは、筋肉の慣らしとして自重筋トレから始めよう。
自重がこなせるようになってきたら、ダンベルを使い始めると筋肥大がスピードアップする。
レッグレイズのとき、ガムテープを巻いた週間マンガ雑誌を足で挟んでも、十分な重りになる。
上半身をやったら、48時間以上あけて下半身のトレーニングだ!
脚部は筋肉が多く普段から体重を支えているので、自重筋トレがラクになるのは結構早い。
自重に慣れたら、すぐダンベル種目に移ろう。
なお、自重の背中トレーニングはしっかり鍛えるのが難しいので、最初からダンベル種目を取り入れてもOK。
自重とダンベルを使った筋トレメニューを、上半身と下半身に分けて紹介してきた。
筋肉が目覚め始めると、これらの種目は軽々とこなせてしまう。
そうなったら、ビッグ3というトレーニング種目をダンベル向けにデチューンしたものをやってみよう。
ダンベルだから、それほど場所もとらずに自宅でできるので、おおいに活用しよう!
それぞれ、鍛えられる部位は次のとおり。
- ダンベルプレス(腕・胸・肩)
- ダンベルデッドリフト(背中・脚)
- ダンベルスクワット(脚)
これに、クランチやレッグレイズなどの腹筋トレーニングを加えると、全身をまんべんなく、比較的高い負荷で鍛えることができるんだ。
図で見ると、ダンベルデッドリフトとダンベルスクワットは似ているが、まったくの別物。
フォームも動きも似ているが、ほんの少しの違いで効かせられる部位が大きく変わってくる。
ダンベルデッドリフト
上体を前45度くらいに前傾させ、背中を伸ばす。
顔は、膝よりも前に出る。
股関節と膝関節を伸ばしながら立ち上がり、膝を伸ばし切る。
ダンベルスクワット
上体を少し前傾させ、顔がヒザより前に出ないようにする。
立ちあがっていき、ヒザが伸び切らないうちに止まる。
脱ガリガリ!筋肉をつける食事
どんなにトレーニングしても、食事がおろそかならカラダはなかなか大きくならない。
ガリガリを卒業したいなら、筋トレだけじゃなく食事にも気を配るのは当然のことだ!
とはいえ、たくさん食べられないからガリガリなんだから、たくさん食えと言われても無理なハナシだと思う。
そこで、満腹度はそのままでいいから、タンパク質中心の食事にするところから始めてみよう。
タンパク食と筋トレで筋肉が増えると、自然に食が進むようになってくる。
そしたら、量(カロリー)も増やしていくと、ムリなく体作づくりができるんだ。
[st-kaiwa1]体を大きくするのは、筋トレだけじゃない。食事だ、台所だ!目先の目標は、体重1kgにつき2gのたんぱく質を1日に摂ることだ!
筋肉だけ増やすor脂肪も増やす
体重を増やす方法は、「筋肉をつける」と「脂肪を増やす」の2通り。
理想は、筋肉だけを増やしてガリガリから細マッチョへと変身することだが、その願いはすみに置いておくのがいいかもしれない。
なぜなら、筋肉だけ増やすのは難易度が高いし時間もかかる。
加えて、「太っていると筋肉が付きやすい」といわれることが理由だ。
とはいえ、脂肪を付けると減量するのに時間が必要なデメリットも存在する。
ちなみに、ボディビルダーは、筋肉と脂肪を同時に増やしてから、脂肪だけを削いでたくましい体を作っています。
1日の目標摂取カロリー
1日の目標摂取カロリーは、筋肉だけをゆっくり増やしたいのか、それとも脂肪と筋肉を早めに増やしたいのかで変わってきます。
1日に摂るカロリー目標値
筋肉だけを増やすならカロリー赤字
【摂取カロリー < 消費カロリー】
目標カロリー = 除脂肪体重 × 35kcal
脂肪も一緒に増やすならカロリー黒字
【摂取カロリー > 消費カロリー】
目標カロリー = 3,000kcal以上
脂肪を増やすなら、最初の目標は、成人男性の1日の推奨摂取カロリーである2,300kcal。
ガリガリからマッチョになった人は、1日に3,000kcalを目標に食べてることもしばしばあります。
高カロリー食への置き換えは、たんぱく質をしっかり摂っていることが前提。
そのうえで、体積は小さいのに脂質や炭水化物主体の高カロリーな食べ物を食べよう。
例えば、ごはんを餅に置き換えたり、カレーやチョコにケーキ。
お腹にたくさん入れるため、体積が小さいってのがポイントです。
脂質は男性ホルモンの材料となり、男性ホルモンは筋肥大に働くから、脂質も必要なんですね。
腸内環境を正常化で筋トレ促進
腸内環境が良くなれば消化と栄養吸収がちゃんと行われ、次の食事もしっかり食べられるようになります。
1ヶ月スパンでいろんなヨーグルトを食べて、自分に合った乳酸菌を見つけるといいですよ。
ヨーグルトには、たんぱく質・脂質・炭水化物が含まれているし、脂肪ゼロのものもあるので、増量or減量のどちらでも役に立つ食材です。
【食事回数】1日5食!太れない体質にも有効!
「1日5食なんて無理!」
いえいえ、通常の食事を5回も食べるのではありません。
1日の総摂取カロリーをそのままに、5食に小分けする食べ方が体を大きくするのに有効なんです!
1日に2,000kcal摂るとしたら、1食400kcal×5食でもいいし、600kcal×3食+捕食100kcal×2食でもOK。
朝、10時、昼、15時、夕方に摂るのがやりやすいです。
捕食は10時と15時で、鶏肉やプロテインバーのように、たんぱく質をメインとしたものを食べましょう。
食事を小分けにすることで、常に筋肉にタンパク質を届けられるし、血糖値が急激に変わりにくいので脂肪を貯め込むインスリンの分泌も抑えられて健康にもいいぞ。
この食べ方は、食べても太れない、俗にいう「ハードゲイナー」でも有効。
食べると下すタイプなら、1食の量が少ないので下しにくくなる。
スグお腹いっぱいになる「食が細い」タイプなら、1日のカロリー摂取量が増やせる。
どちらのタイプにとっても、カラダ作りに向く食べ方だから、とにかく小分けの意識を!
お腹を下す原因が分かるかも?
食べるとお腹を下しやすいなら、低FODMAP(フォドマップ)食を試すのも1つの方法。糖質制限の1種で、下す原因となっている糖質がどれなのか見極める食べ方だ。
3週間すべての糖質をカットし、その後1週間につき1種の糖質を合計4週間4種摂って、ゴロゴロの要因になっている糖を見つける。
4種とは、オリゴ糖、二糖類(乳製品)、単糖類(くだもの)、人工甘味料。
仮に、3週間目にお腹のハリはゴロゴロが強く出たなら、その週に摂った糖質がお腹を下す原因ということが分かるんだ。
さて、1日5食の生活を送ると、もしかしたら摂取カロリーが増えてぜい肉も増えるかもしれない。
正直、太ったらカッコ悪いけど、今の痩せ体型から10~15kg増量しても、見た目はちょっとぽっちゃり(体脂肪率20%ぐらいの軽度肥満ってとこ)ぐらいなので気にせず、逆に食べられるようになったことを誇りに感じるべき。
減量するときは、カロリーをタンパク質(脂肪になりにくい)で摂取していけばいいので、特に問題なし!
余計なお肉を削いだとき、ムキッとした筋肉の鎧があらわになるハズだ!
脱ガリガリ!プロテインの重要性
プロテインは、飲めば筋肉がムキムキになれるスーパーフードではない。
筋肉を大きくするのは食事であり、栄養素的にもプロテインはあくまでも補助食品。
でも、プロテインは体作りに役立つことは確かなので、あなたに合ったプロテインの選び方と飲み方をバッチリ覚えて筋肉質な体を作ろう。
プロテインの種類と選び方【ガリガリ体型向け】
一言でプロテインといっても、種類や目的はさまざま。
お店のプロテインコーナーで商品パッケージを見ると、「増量」「減量」「体作り」「目指す筋肉のために」など目的がざっくりとしたものもあれば「アドバンテージをプラスする」と意味が分からないものまでよりどりみどりです。
細身体型なら、2種類のプロテインを自分の食生活に合わせてセレクトするのがいいでしょう。
【1】ウェイトアッププロテイン(増量用)
プロテインに「増量」と書いてあるのは、脂肪で体重を増やすことを目的としたプロテイン。
たんぱく質よりも糖質が多く、糖質4:タンパク質1のような配合比率になっています。
食事で十分なカロリーを摂れていないなら、補食にウェイトアッププロテインを飲んで体重増加を狙おう。
体重が増え、筋トレの強度・回数も増えたら、徐々にプロテインを筋肉増量用に切り替えよう。
【2】筋肉増量用プロテイン
脂肪ではなく筋肉を増やすためのプロテインで、1食につきタンパク質を15~25gも摂取できる高たんぱくフードだ。
筋肉をキープしつつ脂肪だけをそぎ落とすのにも役立つぞ。
食事で必要な分のカロリーを摂れているなら、こちらのプロテインを飲もう。
プロテインを飲むベストな時間
プロテインには、効果がMAXになるベストなタイミングがある。
ウェイトアップ用なら、いわゆる太る時間帯。
食後(特に夕食後)や寝る前がチャンスで、なんならおやつ替わりにしてもよい。
筋肉増のプロテインは、体がプロテインを欲しているときに飲む。
筋肥大に効くトレーニング後、たんぱく質が枯渇してる起床直後、はたまた寝る前に飲んでたんぱく質枯渇対策もできる。
必要なつどプロテインを補給して、筋肉分解を防ぐことができるんです。
コラム:プロテインがダメな人は
プロテインの味(甘さ)がダメだったり、量が多くてごはんが食べられなくなるなら、水専用プロテインがオススメ。
甘くなくサラサラしてるからゴクゴク飲めるし、1食あたり300~500mlの量を飲んでもローカロリーだから、食事に差し支えることも少ないです。
ガリガリから筋肉質になるまとめ
体作りには、筋トレも食事も同じくくらい大事なので、どちらかが欠けると、体は大きくなりません。
ガリガリのうちは、筋トレに関しては負荷に慣れる(筋トレ習慣を身に着ける)こと、食事に関してはとにかく食べることが大事です。
刺激を受けた筋繊維が目覚め始めるのは、トレーニング開始から3週間~1ヶ月ほどかかります。
見た目的には小さな変化かもしれませんが、自分の体感として「何かが大きく変わった」のが分かるときがやってくるので、まずは、自分を信じて週2回のトレーニングを1ヶ月続けながら、食事の量を少しずつ増やしていきましょう。