クランチは、キングオブ腹筋トレーニングと言い切れるほどの定番メニューだ。
動きは地味だが、自重系腹直筋トレーニングのベーシックにして最高峰といっても間違いナシ!
正しいやり方や負荷をアップさせる方法のほかに、シットアップとの違いや、できない(腹筋に効きにくい)ときのコツを紹介するぞ。
クランチは、上体を丸めて腹直筋の上部をギュッと収縮させて負荷を与えるトレーニングで、腹筋を効果的に鍛えることができる。
シットアップ(よく腹筋運動といわれる動き)に似ているが、腰に負担がかからないので安全だぞ。
メインターゲット筋肉 | 腹直筋 |
レベル | 初級者~中級者 |
目的・効果 | お腹を引っ込める。シックスパック |
クランチのやり方
1:セットポジション(基本姿勢)を作る
床に仰向けで寝転がり、ヒザを曲げて足ウラを床につけよう。
骨がごつごつ当たらないトレーニングなのでトレーニングマットがなくても痛くないが、できれば敷いた方がいいだろう。
頭と肩(肩甲骨)を軽く浮かせて、手を後頭部(もしくは耳のあたり)に添えたらセットポジションの完成だ。
2:上体を起こす
お腹を丸めるように、息を吐きながら上体をゆっくりと起こそう。
テンポは、3数えながら上げて、maxまで上がったら1数えてキープ。
パパッと素早くやると、カラダ全体の反動で上体が持ち上がって腹筋への負荷が超激ダウンするので気を付けよう。
ゆっくりやると、筋肉が縮んでいる間ずっと腹筋に負荷をかけられるから断然効果的なんだ。
腰を床につけたまま、ヘソをのぞき込むようにすると効かせやすいぞ。
3:元に戻る
息を吸いながら、ゆっくり3数えながら上体を下げて、セットポジションに戻ったら1数えてキープ。
これで1回として、10回1セットを3セットやり遂げたとき「もうできない!」となるのが効果maxだ。
セット間のインターバルは、腹筋を追い込めるように1分ほどにしておこう。
クランチができないときのコツ
クランチができない(腹筋に効かせられない)理由は、2つあるぞ。
- 腹筋(腹直筋)の筋力が足りない
- フォームが間違っている(崩れている)
筋力が足りないときのやり方
筋トレを始めたばかりで筋力が足りないときは、負荷を弱くしてやるといいぞ。
セットポジションで頭に回した手を前に出してヒザに近づけ、腕を伸ばしながら上体を起こしていこう。
上体を引っ張り上げるサポートになるから、腹筋が弱くても起き上がりやすくなるんだ。
一度フォームを確認してみよう
クランチの動きは単純だが、意識しないとフォームが崩れて効果が薄れるやり方になっていることがあるぞ。
- へそをのぞき込みすぎ
- みぞおちだけを丸めすぎ
クランチは、お腹(上体)を丸めてナンボのトレーニング。
ヘソをのぞき込む意識は大切だが、のぞき込みすぎると首を丸める動きが強すぎて「上体が丸まっている」と勘違いしてしまい、腹筋をほとんど動かさずに終わってしまう。
あごを少し引くと、クランチで腹筋に効かせやすくなるんだ。
また、みぞおちを丸める意識が強すぎると、みぞおちより上だけが丸まって腹直筋が丸まらなくなることがあるので、お腹を丸めるイメージでやってみるとうまく行くぞ。
首が痛くなってしまうときの対処法
クランチ中に首が痛くなる原因は、首を真っすぐにしているから。
頭の下に土台となって支えるものがないと、重力に引っ張られるので、耐えるために力が入って痛くなってしまうんだ。
対処法として、首を丸めると、頭が首の上に乗るので痛くなくなるぞ。
ただし、丸めすぎるとヘソをのぞき込み過ぎてクランチが効かない原因になるので注意しよう。
首の筋力も多少は必要なので、クランチをしているときの負荷で少しずつ強くしていけば、10回×3セットやっても痛くなくなるぞ。
シットアップとの違い。クランチの方がオススメな理由
シットアップとクランチのどちらも腹筋(腹直筋上部)を鍛えるトレーニングで、動きも似ているがまったくもって別物だ。
大きな違いは「腰が床についたままかどうか」の1点のみ。
腰を折って上体全部を起こすのがシットアップ、腰を床につけたままみぞおちを中心に曲げるのがクランチだ。
ハッキリ言うと、クランチの方がいい。
なぜなら、シットアップは腰を痛めやすいし、腹筋への刺激は低いから。
試しに、10回連続でやってみると分かるが、シットアップは楽々でもクランチは腹直筋が張る感じがあるはずだ。
とはいえ、シットアップは、股関節まわりの腸腰筋(ちょうようきん)に刺激を与えられるし、上体を丸めながら起こすことで、腹筋への刺激を強められるメリットはある。
どっちを選ぶかは個人の好みにもよるが、腹筋トレーニングとして効率が良く安全なのはクランチだし、腸腰筋はもっと鍛えられる別メニューがあることはお伝えしておこう。
クランチの高負荷バリエーション
クランチを規定回数できるようになったら、負荷を上げてチャレンジしよう。
常に10回×3セットで限界が来るようにしていこう!
デクラインクランチ
デクラインクランチとは、脚よりも上体が下にある姿勢でやるクランチのことだ。
床に寝転んだままで、足をイスや踏み台にのせて、ヒザと腰がそれぞれ90度に曲がる姿勢を作ったら、それがセットポジションだぞ。
お腹を丸めやすくなって、より腹直筋に効かせやすくなるので、ゼヒ試してみてくれ。
台に乗せずに脚を浮かしてもOKだが、グラついて正しいフォームの維持が少し難しくなるので注意しよう。
ダンベルクランチ(ウェイテッドクランチ)
ダンベルクランチは、ダンベルを持ってやる中級者向けのクランチだ。
ダンベルの重さで負荷を変えられるが、たった数キログラムのダンベルでも効果の違いは明らか。
ダンベルの代わりに、水が入ったペットボトルでも代用できるので、意外とお手軽な種目なんだな。
ダンベルは、「手を組んだ後頭部」「胸の前」「手を伸ばして胸の上」の好きなところで持ってもいいが、オススメはフォームが崩れにくい胸の前。
後頭部だと、腕の力で上体を持ち上げようとしてしまうし、胸の上は落としたら危険。
とはいえ、個人ごとに好みが分かれるので、自分が一番効かせやすい方法でやってみよう。
ちなみに、私が「効くなぁ」と感じる順番は、後頭部>胸の上>胸の前で、重りを持ち上げる距離(←?)が長いほど、腹直筋に刺激が走りやすいと感じるぞ。
念のために、ウェイトトレーニング用のグローブがあれば安心だ。
チューブクランチ
いろんなトレーニングに応用が利くフィットネス用のゴムバンドやトレーニングチューブを持っているなら、チューブクランチがオススメだ。
とはいえ、チューブをかける位置によっては、ノーマルクランチよりもラクになるのがこのトレーニングの面白いところ。
脚を上げて腰とヒザがそれぞれ90に曲がった姿勢、つまりデクラインクランチのフォームが基本姿勢だが、手に持ったチューブを脚のウラにひっかけると負荷が低くなって初心者向け、チューブを折りたたんでヒザ上に押し付けると負荷が高くなって中級者向けになるぞ。
初心者向けは、チューブを引っ張る力を借りてカンタンに上体を起こすことができる。
中級者向けは、チューブを脚に押し付けながら上体を起こすので、負荷がアップするんだ。
ちなみに、上級者向けとして、家の梁など高い場所にチューブをかけて、胸の前で両手をクロスしてチューブを抱えながら上体(背中)を丸めながら後ろ向きで引っ張る方法があるぞ。
腕の力を使うことと、股関節を前に曲げると腹直筋への負荷がダウンするのでNGだが、背中を反った基本ポジションを作れば、可動域が広くなって腹直筋に強い刺激を与えられるんだ。
【注意】クランチだけではシックスパックを作れない!
クランチは、腹直筋上部にガッチリ効くし、シックスパック作りに欠かせないが、クランチだけでは腹筋は6つに割れないから注意しよう。
クランチで効かせられる筋肉は、腹直筋の上部(胃の正面あたり)であって、割れても4つまで。
まあ、腹直筋上部を4つに割った「フォーパック」でも、かなりケてるボディには違いないが、残り2つを割ってシックスパックになるには、腹直筋(下部)も鍛えなくちゃいけないぞ。
詳しくは、こちらの「シックスパックの作り方」のページをご覧いただきたい!
イケてる腹筋を作ってくれ!