こんにちは、うっしーです。
「腹筋運動」と言われたら、あなたは何を思い浮かべますか?
きっと、床に寝てヒザを立て、股関節を曲げながら上体を起こす、いわゆる「腹筋をする」と呼ばれるやつではないでしょうか。
大人から子供まで、みんな知ってる腹筋運動。
シットアップと呼ばれる種目で、学校で行われる体力測定では「上体起こし」という名前で採用されているんですよ。
シットアップ(sit up)=英語で「起き上がる(寝た姿勢から座った姿勢になる)」の意味です。
「腹筋して、腹を割るんじゃぁ!」
とか
「ウエスト細くするんだもんっ」
と意気込むのもいいですが、ちょっとまった!
国民的腹筋運動であるシットアップは、正しくやらないと腹筋に効きにくいトレーニングなんです!
ここでは、シットアップの正しいやり方と効果、できないときの対策、似た腹筋トレーニングである「クランチ」との違いについて紹介しますっ!
腹筋に効く!シットアップのやり方
1:スタートポジション(基本姿勢)を作る
スタートポジションを作る手順
- 床に寝そべって膝を90度に曲げ(立て)る
- 手は頭の後ろに沿える
- 頭を軽く浮かせ、肩を床から離す
フローリングはゴツゴツするので、トレーニングマットを敷こう。
2:上体を起こす
本格的に腹筋に負荷をかけていくシーンです。
気をつけるべきは、シットアップには2種類の上体の起こし方があるということ。
1つは「腹筋への刺激を強める」やり方で、もう1つは「腰(腰椎)の負担を減らす」方法です。
腹筋の負荷が強い上体起こし
- 股関節を折りつつ、背中を丸めながら起こす(ヘソをのぞき込むように)
- 息を吐きながら、ゆっくりと。
腰椎の負担を減らす上体起こし
- 股関節だけを動かし、背すじを伸ばしたまま起こす
- 息を吐きながら、ゆっくりと。
上体の姿勢は、「曲げる派」と「伸ばす派」に分かれていて、どっちをやるべきという明確な答えはありません。
腹筋の働きは「体幹の屈曲」なので、背中を曲げた方が効きます!
ただし、背中が曲がった姿勢は、背骨をムグゥッと曲げるため、腰(腰椎)の負担が大きくなります。
一方で、背すじを伸ばすと上体を支えやすいので、腰骨へのダメージは減ります。
けれども、上体は姿勢を維持だけだから腹筋が収縮せず、「腹筋トレーニング」として効果はダウンします。
効果や腰への負担について、分かりやすく表にまとめてみました。
上体 | 難易度 | 効き具合 | 腰の筋肉 | 腰椎 |
---|---|---|---|---|
曲げる | やりやすい | 効く! | 負担少 | 負担【大】 |
伸ばす | 難しい | 効きにくい | 負担【大】 | 負担少 |
上体を起こしたら、息を吸いながらゆっくりと上体を倒してスタートポジションに戻します。
【回数の目安】8~12回(筋肥大)、30回(お腹の引き締め)
【セット数】3セット
シットアップの効果を高める!やっちゃいけない2つの動作
シットアップは、常に腹筋へ負荷をかけ続けてなんぼのトレーニングです。
てことで、負荷が抜ける2つのNG動作に要注意!
2つのNG動作
- 上体を完全に起こす
- 頭と肩を床につける
どうして、効果が薄まるの?
その疑問を、分かりやすくまとめました。
上体を完全に起こす
シットアップで腹筋に負荷をかけられるのは、上体が傾いて重力にあらがっているときです。
上体を完全に起こす、つまり垂直にすると、腹筋への負荷が一気に抜けてしまいます。
必ず、上体が垂直になる手前で止めてください!
頭と肩を床につける
頭と肩が床につく、すなわち、カラダが水平になった姿勢も、腹直筋への負荷が抜けます。
勢いをつけてセットポジション(基本姿勢)に戻すときにやりがちなミスなので、動きはゆっくりと。
頭部と上体がべったりと床につかないように意識して、常に頭と肩を浮かしつづけてください。
シットアップができない&足が浮く【対策はこちら】
シットアップができない、もしくは足が浮いてしまう原因は、腹直筋の筋力不足や上体の姿勢などです。
よって、「こうやるといいですよ」と一言で解決するのは難しいため、対策を一覧でまとめてみました。
背中を丸めるフォームは、重い頭が運動の支点(腰)に近づくので、上体を起こしやすくなるし、足が浮きにくくなる。
負荷が低い背中を丸めたフォーム(体を起こしやすい)でもできないのは、筋力不足。
まずは、足に重りを乗せて固定することからはじめてみよう。
腹筋で足りないパワーを、足(脚)のチカラで補助できるので、上体を起こせるようになりやすいよ。
やり方は、とっても簡単。
ダンベルを重りにして足を支えたり、ソファと床のスキマに足を突っ込むなどの工夫で、突然できるようになったりするんだ。
ただし、足を固定すると、腹筋への負荷が低くなるのがデメリット。
実際に、太ももが疲れてくるんだよね。
しかしながら、悲しいことに、足を支えてもできないこともあると思います。
そんなときは、腹筋が弱くてもできるトレーニングで自信をつけてから、シットアップにチャレンジしてみよう!
おすすめトレーニングは2つ。
1つ目は、誰でもできるのに意外とキツいプランク。
2つ目は、シットアップと同じく股関節と腹筋を使うヒップレイズです。
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→リーンボディをやってみた感想
シットアップは腰痛の原因になる【根拠付き】
シットアップ最大の弱点、それは、腰痛の原因になるということ。
そのため、日本バスケットボール協会では、シットアップをやめるように啓蒙活動をしているんです!
で、腰を痛めるという根拠はこちら。
協会が参考にしたのが、カナダ・ウォータールー大のスチュアート・マックギル名誉教授の研究だ。ひざを曲げた状態か、伸ばした状態かに関わらず、上体起こしで脊椎(せきつい)が圧迫される力は、米国立労働安全衛生研究所が定めた腰痛につながる基準値と同等だとする研究結果を発表した。何度も繰り返すことで、背骨の間の椎間板(ついかんばん)を痛めるという。
出展:朝日新聞デジタル
脊椎が圧迫されるのは、背中を曲げたとき。
つまり、背すじを曲げたシットアップは、腰痛の原因になると読み取れます。
腰のダメージについて
ところで、背中を伸ばしたシットアップなら、背骨を曲げないので椎間板に大きな負担がかかりません。
だからといって、背筋を伸ばした姿勢は腰痛対策にはなり得ません。
なぜなら、上体の重さを背骨から腰(骨盤)までで受け止めたとき、腰の筋肉に負担がかかります。
シットアップは、どんなフォームでも腰(腰椎もしくは腰回りの筋肉)にダメージを与える危険性がある。
トレーニングの質の面でも、上体が伸びていると、背中の筋肉群で支えつつ股関節の動きだけで起き上がるから、腹筋への効果も激減します。
腰の動きを使う筋トレは、強度が高くなるにつれ腰への負担も増えていくもの。
それなのにシットアップは、低強度なのに腰の負担は増えるという、実に効率の悪いトレーニングでもあるんですね。
「腹筋100回やったぜ!」とか自慢する声を聞いたことあるでしょ?
これ、腹筋にあまり刺激を与えていない証拠でもあるんですよ。
本当に効く筋トレは、1セット10回×3セットで筋肉に限界がくるので、私は、シットアップをあんまりオススメできません。
「腰に負担がかかるなら、腹筋なんてやらんよ。」
うん、ごもっとも。それでいいと思います。
シットアップは、「腹直筋を収縮させる」「股関節を曲げる」の2つの動作で構成されてます。
腹直筋の収縮は、クランチの方がやりやすい。
股関節は、レッグレイズ・ヒップレイズ・スクワットなどで十分動かせます。
ということで、強度が高く腰に負担のかからない、クランチやヒップレイズをやりませんか?
シットアップとクランチの違い
シットアップは、腰を曲げて上体を起こす動きで腰を浮かす(床から離す)します。
腹直筋以外の筋肉も使うから、思ったほど腹筋に効きません。
しかし、クランチは床から腰を離さず、上体(みぞおち付近から上)を起こすパワーを腹直筋だけに頼ります。
結果、腹への刺激がダイレクトに伝わるので、シットアップよりも効きます。マジで。
シットアップはダイナミックな動きで効果がありそうだが、実際はクランチの方がキツく、シットアップほど回数をこなすのが難しいんだ。
しかも、腰を床から離さない(=腰回りの筋肉を使わない)から、腰にダメージがないメリットもあるのは嬉しいよね。
ただし、クランチは腹直筋の上部(胃の正面)しか鍛えられないのがデメリット。
シットアップなら、腹直筋の下部と腸腰筋も鍛えられる。
とはいっても、効きにくいシットアップを限界までダラダラ続けるより、クランチとレッグレイズ集中的に追い込んだ方が濃い筋トレができますよ。
もちろん、時短にもなります。
シットアップの効果
シットアップで鍛えられる筋肉は、腹直筋(ふくちょくきん)と腸腰筋(ちょうようきん)。
腹直筋が発達すると、6つに割れたお腹(シックスパック)になりますし、ぽっこり下腹の引き締めにもなります。
腸腰筋は、歩く・走るに必須の筋肉。
股関節の曲げ伸ばしをするシットアップでは、弱い負荷で自然と鍛えることができるんです。
シットアップに慣れてきたら、負荷を上げたバージョンも試してみてはいかが?
手(腕)を、胸の前で十字に組む、もしくはお腹の上に沿えてみてください。
手で頭を持ち上げて補助できなくなるので、お腹への効きがアップ!
特に、トレーニング後半の腹直筋の耐久力が激落ちしたときに、真価を発揮します!
他には、ダンベルやバーベルのウェイトを、手と胸で固定するウェイテッドシットアップ(weighted sit-up)や、シットアップベンチを使うデクラインシットアップがあります。
とはいえ、腰を痛める原因になるので、私はやりません。
(紹介しておきながら、ごめんなさい)
最後になりますが、アメリカ発のフィットネスクラブである「エニタイムフィットネス」のブログ(日本語)で腹筋運動に対する見解を見つけました。
要約すると「シットアップはやらない」とのこと。
さらにいうと、クランチもやらない。
つまり、上体を起こす動作のトレーニングはしない。
かわりに、プランクやヒップレイズ(ブログでは「レッグリフト」と呼んでいる)で腹筋を鍛えると書いてあります。
これは、たくさんいるトレーナーのうち1人が、医師の根拠に基づいて発言したものです。
シットアップを「する」「しない」はあなた次第。
ただ、シットアップよりも負荷が高いのに腰を守れるトレーニングがほかにあるという事実をあなたにお伝えして、シットアップの紹介は、これにて終了~っ。
良い腹筋ライフをっ!